2005年10月27日

模擬裁判記録@製パン機事件

久々にゼミの回顧。
今日扱ったのは製パン機事件。
事件の概要は、

タイマー機能を使って山型パン(普通の食パン)を焼く方法について特許権を有していた。
被告はタイマー機能を用いて山型パンを焼く方法のほかに、
タイマーを用いないでパンを焼く方法や、
焼かないでパン生地だけを作る方法にも使える製品を製造販売していた。
これが原告の持つ特許権を侵害しないか争われた事案。

実際の事件は争うところが多かったため、
ゼミの中では主に間接侵害が成立するかを主な争点とすることになった。

間接侵害とは、特許法101条に規定のある、侵害とみなす行為である。
直接、被告が侵害行為を行っていないとしても、
その侵害を助長するような行為をすれば(間接侵害)、
侵害者であるとみなす規定である。

今回論点となったのは、101条2項(本件訴訟定期時の旧条文)の
通称「〜にのみ要件」といわれるところ。

特許法第101条2号
特許が方法の発明についてされている場合において、業として、
その発明の実施にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、
若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸し渡しの申し出をする行為。


条文にはこのようにあり、本件における被告製品が原告製品の
実施にのみ使用するかどうかが一番大きな問題。

原告は主にタイマー機能の重要性を説いていたように思う。
確かに消費者全てがタイマー機能を使うわけではないかもしれないが、
消費者がタイマー機能を使う高度な蓋然性が認められれば、
業として、その発明の実施にのみ使用する物に当たると。

対して被告側は、タイマー機能は単なる付加価値的なものでしかなく、
消費者はタイマーを目当てに買うわけではない。
タイマー機能を使わないでパンを焼く人だっているし、
クロワッサンの生地を作ることもできると言う機能までついているのだから、
101条の「にのみ要件」には当たらないと主張。

原告は反論として、間接侵害規定の立法趣旨などを持ち出した。
(この辺はよく覚えてないので、削除)
他にも、タイマー以外の機能をつけただけで、
特許法の網の目をくぐってしまっては、
特許法を不当に狭めてしまうのではないかと言う主張がなされていた。

被告の反論は、タイマーのようなありふれたものをつけただけで、
特許法の保護を受けてしまっては、特許法を不当に拡大すると主張。
(…していたような)

まあ、簡単に言えば以上のようだったと言うことにしておこうw
やはり問題となったのはタイマー機能が重要かどうか。
それを使わない方法があるから、「にのみ」の要件を満たさないと言えるかどうか。
…だと思う。

判定は圧倒的勝利で原告側。
やっぱり法感情と言うか、感情論の勝利だったような。

ところで、先生が最初に間接侵害規定をめぐる諸説で、
直接侵害がなければ間接侵害もないという「従属説」と、
直接侵害がなくとも間接侵害が成立すると言う「独立説」
の二つを紹介していたが、
両当事者とも、消費者が直接侵害をしているということで、
この辺は争ってはいなかったような。
俺としてはこっちのほうの議論も見てみたかったが。

ちなみに今日は原告チームの電気君が、
訴状の送達時間を破ると言うペナルティを犯していた。
本来ならこの時点で原告の無条件敗訴なはずなのだが、
大甘な先生は、これに目をつぶり、被告にとあるインセンティブを与えることで、
とりあえず裁判は続けると言うことになった。

しかしそうでもしないと、ゼミとして模擬裁判をする意味もないし、
勝ち負けが決まった状態で弁論をしても面白くない。
だから先生のこの判断は妥当なものであったと思う。
しかしペナルティを犯したはずの原告が勝ってしまったと言う事実に、
先生は打ちひしがれてしまっているようだ…。


今日の模擬裁判記録はひどいなぁ。
まあ、俺もあまり予習してなかったから悪いんだが。
これで理解できた人がいるだろうか…。
posted by ホワイティ at 23:59| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちょうど、今日のゼミをネタにホワ君あたりがブログしてくれるといいな、と思っていたところだ。

君も書いてたように、被告からは従属説的な主張はなかったね。被告製品を購入した主婦たちがパンを作っても「業としての」実施に当たらないから、直接侵害にはならないけどね。原告、被告とも、このケースでは独立説的な解釈を前提に主張を展開してたみたいだね。
Posted by sibainu5号 at 2005年10月28日 02:01
>sibainu5号様

ありゃ、なんだかブログがナイスタイミングだったようで。

模擬裁判では被告側が従属説的な立場に立った場合、
消費者が直接侵害を行っていないことは主張しやすいと思うんですが、
そうすると原告との間で、どっちの説を採るべきかって、
争われることになったんですかね?
それともあくまで、消費者が直接侵害をしていると言い張るのだろうか。
でもそうすると、感情論で行っても、原告は負けそうな…。
Posted by ホワイティ at 2005年10月29日 02:04
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